各大学の最新留学生数(本紙調査)

留学生に選ばれる大学への模索続く 

〜本紙「大学アンケート」にみる最新の留学生在籍動向〜

 

 

 

学生規模の大きな総合大学が留学生の受け入れ数をさらに上積みする一方で、中小規模校を含めた全体では減少に転じた大学の割合が高まっていることが、『留学生新聞』が全国の主要私立大学を対象に行ったアンケート調査で分かった。

調査結果をとりまとめたところ、直近の留学生総数が千名を超えている私大が全国で少なくとも10校あり、このうち8校は対前年度比プラスとなるなど総数を着実に伸ばしている。一方で在籍留学生数が百名以上千名未満の大学では、各校により増減状況に差が出ていて、昨年度との単純比較で受け入れ総数が減少した大学が全体の過半数を占めた。漢字圏出身者の目減りや留学生による大学「厳選化」の波が、数字に表れた形だ。以下、主要校における最新の受け入れ状況をリポートする。

(※各校ごとの詳細は本紙71日号「全国大学特集」をご参照ください。)

 

 本調査は6月中に、主要な留学生受け入れ私大105校に対するアンケート形式で行った。有効回答は102校。対象となる「留学生」の範囲は、大学学部生、大学院生、日本語別科生、科目等履修生、交換留学生を全て含めた、在留資格「留学」を持つ外国人の総数で、基準日は調査時点か本年51日時点のいずれかとした。

基準日が各校により異なるため、それぞれの数字について対前年比での厳密な比較はできないものの、本結果は、各校の最新の受け入れ動向を把握する上で一つの目安となり得る。

 

 調査結果によれば、留学生の受け入れ数が千名を越えている私大は早稲田大学、日本経済大学、立命館アジア太平洋大学(APU)、立命館大学、慶應義塾大学、同志社大学、上智大学、明治大学、日本大学、大阪産業大学の10校で、顔ぶれは昨年度とほぼ変わっていない。

 全国最多の留学生数を擁する早稲田大学は、昨年度よりさらに千名近くを上積みし5千人の大台が目前に迫った(4985名)。同校は2032年までに受け入れ留学生数を1万名にする目標を掲げているが、すでにその五合目まで到達した形だ。

 早大以外では、日本経済大学が東京渋谷キャンパスだけで1250名を受け入れているほか、慶應義塾大学(1418名)、明治大学(1254名)、日本大学(1140名)、上智大学(1036名)など全国でも有数の受け入れ校は首都圏に多い。

 

 一方で西日本エリアの大学では、立命館アジア太平洋大学(2766名)が最多で、立命館大学(1485名)を合わせると、早大に次ぐ受け入れ規模となる。これに同志社大学(1338名)、大阪産業大学(1054名)が続く。

 また受け入れ規模が五百名以上千名未満の大学では、城西国際大学(988名)、拓殖大学(937名)、法政大学(900名)、中央大学(829名)、東海大学(730名)、関西学院大学(695名)、関西大学(645名)などいずれも受け入れ常連校が名を連ねている。

 

文部科学省は大学の国際競争力を高め、世界トップクラス入りを後押しするために予算を重点配分する「スーパーグローバル大学」の選定を昨年から始めたが、こうした政策も総合大学の留学生受け入れ拡大に繋がっている面がある。

今後は英語だけで受講できるコースの設置や渡日前入学許可の導入など、入学制度の改革と連動させた留学生の受け入れ拡大の動きが各校において広がる可能性がある。

 

 一方、受け入れ規模が百名以上五百名未満の大学に目を転じると、各校により増減傾向に落差がみられる。ここ数年に渡る漢字圏出身者数の頭打ちや受験大学の厳選化を反映し、在籍者数がマイナスに転じたところが増えているのだ。

とはいえ、中小規模の大学は、留学生にとって教職員との距離感が近く、個別にサポートが得られやすいメリットがある。こうした強みを、入学後の少人数教育、日本語フォローアップ、奨学金や学費減免といった具体的な施策に体現させられるかどうかが、減少を食い止める上で重要となる。また大規模校は、広範な知名度やネットワークを活かし、手薄感が否めない個々の留学生への就活・進路サポートなどを、さらに強化していくことが求められよう。

 

 規模の大小を問わず、留学生に「選ばれる大学」であり続けるために、「入口」と「出口」の双方向からきめ細かなサービスを練り直し、教育内容を含めて他校とどう差別化を図っていくか。各校が、知恵と工夫を求められる局面は続きそうだ。

2016.6.26

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