外国人学生の入学要件を弾力化

外国人学生の入学要件 文科省が弾力化へ

~「個別審査」の問題点改善も視野に 修業年数の規定を緩和~

 

 文部科学省は外国人が日本の大学や大学院に入学する際の要件を弾力化する方向で

具体的な検討に入った。学校教育法(90条)に定められた基本的な入学要件は変えな

いが、高等学校までの修業年数や年齢による入学制限を事実上緩める。具体的には法

改正を伴わない学校教育法の施行規則や告示の修正・追加で対応するため、早ければ

次年度にも実現するものと見られる。

 昨年12月、新たな時代に相応しい大学入学者選抜の在り方などについて、中央教育

審議会(中教審)が「年齢、性別、国籍、文化、障害の有無、地域の違い、家庭環境

等にかかわらず多様な背景を持った学生の受け入れ」を公正な評価・選抜のもと行う

よう答申していた。

 日本の学校教育法は外国人が日本の大学(本科)に入学する際の要件を原則として

「外国において学校教育における12年の課程を修了した者」と定めており、これに準

ずる者で文部科学大臣が別に指定・認定した場合を除けば、この「12年規定」が大学

等が個別学生の入学要件を判断するベースとなってきた。

 そのため従来は、学校教育における初等中等教育(小学校から高校まで)の課程が

合計で12年間に満たない国・地域から留学してくる場合、例えばマレーシアやミャン

マーなど11年制の国から来日した学生は、不足する1年分を来日後、日本語教育機関

などの予備教育課程で補う必要があった。

 一方で、学校教育法の施行規則には、上記の要件を満たしていなくても、年齢が18

歳に達しており、大学等が個別審査によって高校卒業者と同等以上の学力があると認

めた場合には、入学資格を付与できるとする規定がある。この制度の現状と検討され

る新たな規制緩和の関係について文部科学省高等教育局の関係者は10日、『留学生新

聞』の電話インタビューに対し「個別審査は各校の責任の下で行われるという形にな

るため、現実にはハードルが高い。そもそも外国人学生にとっては、個別審査の有無

をいちいち大学に確認しなければならないのが大きなハードルだ」と述べた。また個

別審査の場合でも依然として年齢要件は残っているため、本国における飛び級などの

為、大学入学時点で18歳に達しておらず入学要件を満たせないケースがあり、今回の

制度改正はその改善も見据えたものだという。 

 具体的な入学要件の緩和手続きは、大学(学部)と大学院で別々に行われる見通し。

大学(学部)は学校教育法施行規則にある「文部科学大臣の指定した者」に新たに対

象を加える形で文科省告示を出し、大学院については施行規則の条文自体が追加され

る予定だ。

  ただ文科省では現行制度の根幹は維持する姿勢を変えておらず、「全ての国・地域

(の出身者)を対象に入学要件を緩和するわけではない」としている。同省関係者は

「個別国・地域の教育の実情を情報収集した上で、対象とするか否かを判断する。最

終的には文科省告示で(対象国・地域を)リストアップする形を想定している」と語っ

た。

(2015.3.5)

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